Poet / Toshihiro Motomura

詩人
本村俊弘

世界を見つめ
言葉を紡ぎ出した詩人

言葉と記憶を、
静かにたどる。

幼い頃から、
好奇心旺盛な少年であった本村俊弘氏。
海外へ旅立ち、自らの目で異国の風景を見つめ、そこに生きる人々と言葉を交わし、
数えきれない出会いを心に刻んだ。

そして、彼の情熱は「詩」へ向かった。
膨大な知識と思索を重ね、
言葉と真剣に向き合い、
生涯をかけて、一篇一篇の詩を紡ぎ続けた。

本サイトでは、
詩人・本村俊弘が歩んだ人生と、
その魂から生まれた詩作品を紹介する。

本村俊弘の歩み

詩人・本村俊弘の生涯と作品を、写真と共に紹介します。

1952

長崎市に生まれる

1952年、昭和27年、長崎市に生まれる。後の詩作へとつながる原風景が、ここから始まる。西洋と東洋、そして日本の多様な文化が交わり、豊かな自然が息づく長崎のまち。その開かれた風土は、氏のダイナミックで柔軟な発想と、人への親しみや温かさに満ちた豊かな感性を育みました。

City of Nagasaki

1968 - 1974

詩作、受洗、上京、師との出会い

1968年に詩作を始め、1970年にカトリック受洗。1971年に上京し、1974年には鷲巣繁男氏に師事する。

受洗の様子

1976 - 1978

ヨーロッパ、そして韓国への旅

1976年にフランスへ旅する。1977年にはイギリス、フランス、スペイン、ポルトガル、ベルギーを旅し、パリでカトリック詩人ジャン・クロード・ルナール氏と会見。1978年には韓国、釜山・慶州・大邱・ソウルを旅する。

旅先にて

1982 - 1983

巡礼、そして処女詩集『初穂』

1982年、日本26聖人殉教者の道行として、京都市の岩上通り綾小路の角の石碑より、長崎市・西坂の至福の丘まで徒歩で巡礼する。1983年、処女詩集『初穂』を上梓する。

自室にて

1995 - 2003

「詩の夕べ」、第二詩集、第三詩集、個展

1995年、長崎原爆平和記念「詩の夕べ」を主宰。この年より毎年8月に長崎市で開催される。1996年に第二詩集『消息』、2001年に第三詩集『風力点』を上梓。2003年には個展「TEMPORARY ART展」を長崎市で開催する。

アトリエ/展覧会

2009 - 2016

色彩、詩集、エッセイへ

2009年、個展「色彩 - 生命の表出展」を長崎市で開催。2014年に第四詩集『充満』、2015年に第五詩集『記憶の推敲』、2016年に第一エッセイ集『現象としての私』を上梓する。

アトリエにて

2017 - 2020

『NEWS』、エッセイ集、そして『人素の森』

2017年、第六詩集『NEWS』を上梓。これは第二詩集『消息』の英語訳である。同年、第二エッセイ集『覚醒する風と日を求めて』を上梓。2018年に第三エッセイ集『色彩は宇宙の高原より来る』、2019年に第四エッセイ集『湯気立つ森の光を食べなさい』、2020年に第七詩集『人素の森』を上梓する。

自室でリラックスする本村俊弘氏

2021

永眠

2021年1月7日、長崎市聖フランシスコ病院にて、神父様のお祈りを受けた直後に永眠。直前まで創作意欲は途絶えなかった。

故郷「長崎」にて。

さらに詳しい年譜を読む

詳細略歴

昭和27年、長崎市生まれ。

昭和43年、詩作を始める。

昭和44年、カトリック受洗。

昭和45年、上京。

昭和49年、鷲巣繁男氏に師事。

昭和51年、フランスに旅する。

昭和52年、イギリス、フランス、スペイン、ポルトガル、ベルギーに旅する。パリにてカトリック詩人ジャン・クロード・ルナール氏と会見する。

昭和53年、韓国、釜山・慶州・大邱・ソウルを旅する。

昭和57年、日本26聖人殉教者の道行。京都市、岩上通り綾小路の角の石碑より、長崎市、西坂の至福の丘まで徒歩で巡礼する。

昭和58年、処女詩集『初穂』を上梓。

平成7年、長崎原爆平和記念「詩の夕べ」主宰。この年より毎年8月に長崎市で開催。

平成8年、第二詩集『消息』を上梓。

平成13年、第三詩集『風力点』を上梓。

平成15年、個展「TEMPORARY ART展」を長崎市で開催。

平成21年、個展「色彩 - 生命の表出展」を長崎市で開催。

平成26年、第四詩集『充満』を上梓。

平成27年、第五詩集『記憶の推敲』を上梓。

平成28年、第一エッセイ集『現象としての私』を上梓。

平成29年、第六詩集『NEWS』を上梓。第二詩集『消息』の英語訳。同年、第二エッセイ集『覚醒する風と日を求めて』を上梓。

平成30年、第三エッセイ集『色彩は宇宙の高原より来る』を上梓。

平成31年、第四エッセイ集『湯気立つ森の光を食べなさい』を上梓。

令和2年、第七詩集『人素の森』を上梓。

令和3年1月7日、長崎市聖フランシスコ病院にて神父様のお祈りを受けた後に永眠。

詩の一節

本村俊弘の詩集から、
五つの一節をご紹介します。

詩は、力だ。
根源へ至る道だ。
稲妻の驚きだ。
詩は愛する人を亡くした人の涙だ。
涙が乾いた後の無だ。

— 『消息』「交信」より

空は夜の衣を着て

銀河系の星々を身につけ

無数の光を表わし始める

星の一つは五〇〇光年の距離を旅する

空間と時間を結び合わせながら

光は飛ぶ

その音を誰も聞くことができないでいる

地球の片隅に生きている私は

この夜空に見える星の一つ一つを見つめている

果てしない空間は無数の星の光で

愛のタピストリーのよう

光は闇の中を休むことなく飛び続け

一つの終着点である私の眼に突進してくる

おお 光よ

お前の内に何が隠されているのか

石と不安の深淵に

設計された橋よ

門扉に掲げられたエピグラム

人の心を穿つ光滴

洞窟の一条の光

五〇〇光年という距離を触ってみたい

光は眼を創造する

薄汚れたアパートに一家五人が生きている

ちっぽけな町工場で働く印刷工の父

玩具の内職をして家族を助けている母

そして遊び疲れた子供達は口をポッカリと開けて眠っている

この星の片隅に生きている多くの人々

その現実

その顔と言葉に表われている苦渋よ

それと同じ次元で五〇〇光年の時空を

ベテルギウスは飛び続けている

それが薄汚れたアパートで生きている人間たちの生活と

同じ時間の中で同じ宇宙空間の中で行なわれている

ということは一体どういうことなのだろうか

夜空に見えるあの星の光が

五〇〇光年の旅をして

それが私の生まれる遥か昔に出発したことを思うと

何と自分が神秘な可能性の次元に

生きているかを感じいることが

子供たちよ

夜の静寂の中で

無数の星たちに守られて

夢みるがいい

『初穂』より「オリオン座のベテルギウス」をお読みいただき、ありがとうございました。

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